ブルーインパルスとの競演が見られたのは、三沢のみ。サンダーバーズは、5年前の来日では天候不順で演技をキャンセルしたため、実に15年ぶりに日本の空を舞うことになった。
サンダーバーズとは、アメリカ空軍を代表するアクロバットチームで、全世界のエアショーを股に掛けてその卓越した飛行技術を披露している広報部隊。彼らが駆るのは米軍の主力戦闘機F-16ファイティングファルコン。日本のブルーインパルスが練習機T-4を使用しているのに対し、主力戦闘機で展示飛行を行う彼等のスピード・技術にははるかにそれを凌駕するものがあり、三沢の空を優雅に、そして時にスリリングに舞う彼等の雄姿に、観客は惜しみの無い歓声と拍手で応えた。
日本のブルーインパルスは何度か見ているNARIZOだが、主力戦闘機のアクロバット飛行を見るのはこれが初めて。ショーが始まると、低空から高高度まで飛びまくり、予想しない速さで後方から進入してきたりする機体を追うのに必死で、写真やビデオどころではなかった。気付いたときにはもう、目前に迫っている。そのスピード感、迫力はまさに、ブルーインパルスとは桁違いのものだった。
この日の三沢基地は09年の国内航空ショーで日本とアメリカを代表する2つのアクロバット飛行チームを一気に見れる唯一のチャンスとあって、航空祭開始前後は空前の大渋滞となった。心配された天候も、すっきりと晴。むしろ気温が上がって暑いほどだった。
そしてエアショーの終了と同時に豪雨。あらゆる意味で、今年はラッキー。青森まで行った甲斐もあったというものだ。
次は5年後といわず、毎年でも来日して欲しいものだ。
午前10時10分。ホスト国日本のブルーインパルスが先ず、空へと舞った。薄曇りの三沢の空へ次々と飛び立っていくブルードルフィンたち。しかし、間もなくショーの一時中断を告げるアナウンスが流れ、6番機が離脱。着陸態勢に入った。
突然のアクシデント、バードストライクである。大事に至らなくて良かったものの、万全の状態で展示飛行を続行できなくなったブルーインパルス。その後は残った5機編成で可能な科目をこなし、ショーを終えることになった。
コークスクリューをはじめ、6番機が居てこそ成立する大技が見られなかったのは残念だったが、アクシデント下にあっても、臨機応変にショーを続行したその姿は、さすが訓練の賜物。地上に降り立ったパイロットは惜しみない拍手と賛辞で迎えられた。
しかし、慣れてきたというのもあるだろうけど、ビデオにしろ写真にしろ、ブルーのスピードは俺の力量で追いかける丁度、限界かもしれない。....サンダーバーズは呆気に取られているうちにみるみる小さくなってっちゃったから(爆)。
三沢基地とその周辺地図
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